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北鹿川柳

川柳でユーモアのある街づくり
「川柳わらべの会」の協力を得て、平成7年にスタートした北鹿新聞社主催事業。管内5カ所に投句箱を設置し、広く読者の作品を募集しており、寄せられた作品の一部を毎月15日付の紙面で紹介しています。その中で月間賞に輝いた秀句を掲載します。

2024年4月

NEW
ホームラン口笛吹いて部活終え      高谷 勝子
 【評】「口笛吹いて」が何んとも言えぬすがすがしさを表現し少年像が浮かぶ。
三度乗り体重計に諭される        芳賀 優子
 【評】三度も乗られると体重計も困りますよね。温かさとユニークさが伝わる。
同病者慰め合って四人部屋        珠井 妙安
 【評】四人部屋は狭くてプライバシーを不安がるも、退院の日は、一皮剥(む)けて皆いい顔。後日訪問し 合った人も。人生修養です。
美辞麗句並べて乗せる口車        三浦カツヱ
 【評】口先でのうまい言いまわしに騙(だま)されて、乗ったことは誰にもあるでしょう。口三味線とも言う そうな。作者もたぶん。
ありがとう言霊(ことだま)乗せてブーメラン   須藤 良子
 【評】ありがとうの五文字は、生きてゆくための潤滑油の様なもの。ブーメランに乗って必ずもどって来ま す。待ちましょう。
孫の口真一文字の初出勤         長井 幹子
 【評】お孫さんの凛凛しい姿、まるで若武者のイメージですね。初戦場へ。応援しましょう。

2024年3月

コンビニは街の灯台ひとり旅       片岡登代子
 【評】「街の灯台」なんというたとえ、なんとも美しい表現か。温かさが伝わって来る。
下駄箱にメモ忍ばせた青い春       鎌田 邦子
 【評】今よみがえる青春の思い出。そんな時もあったっけな。若かったネ。
食べ過ぎて罪の分だけ歩数増え      須藤 良子
 【評】食べ過ぎを罪と表現するには勇気がありますね。でもすぐに対応出来てます。教訓的な一句になりますよ。
試供品待っても出ない美の効果      伊藤久美子
 【評】美肌は女性の憧れ。美麗な書き出しに呑まれてしまい勝ち。年令とともに寄りそって来た相棒として皺もシミも友達感覚でお付き合いしましょう。
楽だろなどうでもいいと思えたら     中嶋ゆう子
 【評】O型だったら鷹揚(おうよう)に構えるのに、見逃せない、見逃せない、黙っておれない性分なのですね。B型かA型どちらでしょう。
食指だけはまだまだ動き元気です     浅岡  仁
 【評】食欲だけでなく、何でも見たい知りたい人、好奇心旺盛な人は、めっちゃ元気です。

2024年2月

NEW
シンプルな料理も器(うつわ)で化粧する 畠沢ヤエ子
 【評】単純な食材でも器(食器)がお化粧してくれたり衣装になったり七変化してくれます。主婦なりの視点。あざやか。
悔い減らし今居る場所で笑いたい   加賀 文子
 【評】「悔い」のない人生も又、重みがないもの。今が笑えればそれで幸せ。笑える場所空間を積極的に探しましょう。
老い佳境亡くすもの増え悔やむ日々  藤原レイ子
 【評】失い体験が続き、それに固執すると自分を責める場面に入りこんでしまいます。これは絶対にアウト。「老い佳境」の生き方で結構。これからが面白く興味深い人生である事に今すぐギア、チェンジです。
各派閥揺れて壊れて大地震      伊藤久美子
 【評】揺れて壊れて途方にくれる政界は、能登の大地震と同じ時期、惨状も比べられて風刺、滑稽という川柳の真髄を突いています。
この国に納税拒否をしたくなり    齋藤 優子
 【評】世の中が不満で爆発しようとする時に、選良(エリート)と呼ばれる政治屋がこの様(ざま)では、よその国へ行って納税したい。ごもっとも。良く言ってくれました。
背を向けて興味ないふりダンボ耳  三ツ倉奈美子
 【評】気になってつい耳だけをそちらへ向けている。ゾウの耳のように大きくして。なつかしいディズニーのダンボ君。皆おぼえていますね。

2024年1月

誰にでも光り輝くボタンある      虻川志津子
 【評】ボタンは皆同じ色、形で整然と並んでいますがその中で必ず一つだけ道を照らしてくれるボタンがあるはず。先駆燈の様に。日常的なボタンに存在感を読んだ一句。
今流の色に変えたいいぶし銀      藤原レイ子
 【評】「いぶし銀色」とはとても貴重な重厚な色。今がその年代ならば現存で行きましょう。しぶくて味わい深いもののたとえですよ。
凛とした杉の木立と身を比べ      鳥潟  洵
 【評】とんがりが無く成長の止まった杉もあるが、いつも身を正して杉の木を見る。己が身を比べる悲哀がみごと。無駄のない簡潔さが川柳。
激流も澱みも越えて共白髪       三浦 紀子
 【評】人生を川にたとえて、物事が順調にすすまぬ、滞(とどこお)る時もあったが、夫婦が長生きしてここまで来たぞ。勢いのある語が強い。励まされる句。
長い髪バッサリ切って子の巣立ち    三浦津彌子
 【評】社会に巣立つ覚悟「バッサリ」に現れ、前向きな作品。すがすがしい一句である。
食べさせて持たせて母はありったけ   岩谷 隆史
 【評】「ありったけ」が全てを物語っている。母なればこそ、帰りの列車は荷物でいっぱい。よくある風景。

2023年12月

健やかに今はそれだけ七五三      今村ゆう子
 【評】神に願いをかける親の一面。温かさが伝わって来る。「それだけ」が効果的である。
しめきりのアトから佳作思いつく    山内トミヱ
 【評】もったいないので次回の秀句をねらいましょう。よくあることです。
「ありがとう」五文字を聞いて耐え忍ぶ 高谷 勝子
 【評】「ありがとう」のフレーズには温(ぬく)もり、安心、笑顔、認容など相手を包みこむ温かさがありますね。一言(ひとこと)なのに合掌です。
婆(ばあ)の知恵ちょっぴりのせる吾子の手に   三上タツ子
 【評】「ちょっぴりのせる」が効いています。小さいお手々に何をのせたのでしょうか? お婆様の笑顔(場面想定)も演出満点ですね。
ずるい鬼自分の中に住んでいる    吉田じゅん一
 【評】ずるい鬼は誰の心にも住んでいるのだろうか。心を鬼にする時は、出てきて欲しいが。考えればどこまでも怖い、ずばり言い切った句です。
手に余る自由とひとり茜(あかね)雲  片岡登代子
 【評】時間があり余ってどこへでも行けるが、夕焼け空の色が秋は特に寂しい。皆集まってわいわい騒ぐか、明日はお茶しよう。川柳はすぐに生まれる。
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